診療内容about our treatments

不正出血(性器出血)の診断、治療

生理以外の出血のことです。よく言う「茶おり」も出血の一種です。子宮から出る場合とそれ以外の腟や外陰皮膚、時として肛門や尿道から出る出血を勘違いしている場合もたまにあります。ご自分ではよくわからないことも多いです。子宮から出る場合(子宮出血)が多いですが、その中でも機能性と言ってホルモンのバランスが崩れて起こる子宮出血と器質性と言って腫瘍(筋腫やがん)や炎症や血液疾患(血小板減少症)などが原因で起こる2種類の子宮出血があります。まず診察をして場所と原因の正確な診断をする必要があります。妊娠の可能性がある場合は必ず妊娠検査をして妊娠していないことをまず除外することが重要です。
検査
検査としては器質性疾患がないことを判断するために経腟超音波検査(性交経験がない方は腹部または経直腸エコー検査)は最も有効な検査方法です。妊娠検査(尿)をさせて頂く場合があります。
その他、子宮がん検査(頸がん、場合によって体がん)はできれば受けて欲しい検査です。
時間に余裕があれば基礎体温の記録はホルモンバランスが崩れているか判断するために是非付けてもらいたい検査です。
基礎体温について
ホルモンバランスの乱れ(生理不順)を評価するためには基礎体温が有用です。0.01℃刻みの婦人体温計で、目が覚めたら体を起こす前に舌下で検温します。起床前の体温であればよいので、同じ時刻でなくても大丈夫です。デジタル体温計で過去のデーターがメモリーできるものがお勧めです。体温表がご希望の場合はお申し出ください。

月経困難症の診断、治療

生理のことを医学用語では「月経」と言います。月経困難症とは、日常生活に支障を来すほどの「ひどい生理痛」のことです。
あなたの生理痛
チェックをしてみましょう
生理痛がひどく、学校や会社をよく休む。
市販の鎮痛剤がいつも必要。
鎮痛剤が効かなくなってきている。飲む日数が増えてきている。
痛みがだんだん増してきている。
一つでも当てはまれば一度婦人科受診をお勧めします。
症状
下腹痛、腰痛、頭痛、吐き気、下痢、おなかが張る、憂うつ、疲労・脱力感、食欲不振、いらいら
種類
原因によって大きく二種類に分けられます。
  • 機能性月経困難症
    病気が存在しないにも関わらず、症状が出る。
    原因は子宮、卵巣が未成熟であることや、プロスタグランジンが子宮を過剰に収縮させてしまっていることや、ストレスなど思春期の若い女性に多い。
  • 器質性月経困難症
    直接的な原因となる病気が存在する。
    原因は子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症など
月経困難症は痛みを我慢して放っておくと子宮内膜症のような病気がかくれていることが あるから注意が必要です!
診断
月経困難症の診断では、まず痛みや症状を確認します。(問診) その後、内診や超音波検査(経腟または経腹または経直腸法)などで原因の病気があるか調べます。その他、血液検査(貧血、CA125)を実施したり、腟内細菌培養検査、クラミジア検査で骨盤内炎症疾患を除外することもあります。
治療
薬物療法
  • 鎮痛剤
    非ステロイド抗炎症薬と子宮収縮抑制剤を使います。痛み物質に直接働くので即効性が高い一方、効果が長続きしません。強い痛みに対する効果は弱いので、痛みが軽いうちに服用すると効果的です。
  • 漢方薬
    患者様の症状や体質に応じて製剤を選択します。即効性はありませんが4週間〜12週間飲み続けると、症状の改善が期待できます。
  • 経口ホルモン剤(EP配合剤)
    経口ホルモン剤の中には、2つの女性ホルモン(卵胞ホルモン、黄体ホルモン)を含むEP配合剤と呼ばれる薬が使われます。いわゆるピルです。日本でもこのホルモン剤は1970年代から避妊や生理痛などの様々な目的で中用量、高容量のEP配合剤が使われていました。そのころのピルは副作用が強いためあまり日本ではよい印象がありませんでした。1999年に日本で初めて避妊目的の低用量ピル(OC)が発売され、その後に使用目的が避妊でなく生理痛を治療する低用量経口ホルモン剤(LEP)が2008年に保険薬とし発売されています。毎日1回、1錠飲むだけで生理痛と生理の量が軽減できます。副作用は最初の1〜2か月に頭痛、吐き気、不正出血がありますが服用を続けていくうちに治まることがほとんどです。またまれに血管に血のかたまりがつまる病気(血栓症)があります。(1万女性あたり3〜9人、1年間服用の発症率0.05%です)欧米ではこのLEP剤が月経困難症(生理痛)の第一選択薬になっています。
    若い患者様で生理痛が強い方は将来の子宮内膜症の発症が高いと言われています。成長期が終われば開始できます。将来、不妊症にならないために若い患者様におすすめします。患者様と相談しながらOCとLEPの種類を選択していきます。
  • ミレーナ®(IUS)
    子宮内に黄体ホルモンを放出する小さな器具を装着する方法です。
    黄体ホルモンが5年間にわたって放出され、子宮内膜が厚くなるのを抑え、痛みの物質(プロスタグランジン)の産生を減少させることで月経痛や経血量を軽減します。
    本来、避妊目的で開発され使用されており(避妊のページ参照して下さい)、当院でも発売当初から使用してきました。
    最近、月経困難症と月経量が多い過多月経の治療に保険で使用できるようになり毎日服用するホルモン剤の飲み薬が苦手な患者様、40歳以上の患者様におすすめしています。(避妊のために使用する場合は自費診療です)
    【装着の準備】
    月経期以外にまず受診して頂き経腟超音波検査で子宮の大きさ、向き、卵巣の様子を確認しミレーナの適否を判断致します。必要に応じて子宮がん検査、おりもの検査も感染予防のため行う場合があります。
    【装着の時期】
    月経が開始したら電話で「ミレーナ希望」とおっしゃってください。月経開始後7日以内、遅くても10日以内に装着します。月経血が多いときは避けてください。当院では1日診療日の午後の外来前(午後3時)に装着しています。
    手術台に横になって頂いて数分で装着し、少し休んでから帰宅してもらいます。ナプキンは必ずご用意してください。
    【装着後の出血】
    一番の副作用は不正出血です。装着後の数か月は不規則な不正出血がありますが半年ぐらいたつと月あたりの出血は5日間程度に減り、1年後には約20%の人で月経が起こらなくなります。月経がなくなっても女性ホルモン量は減っていませんし、排卵も起きています。
    【その他の副作用】
    • 自然に抜けてしまう場合があります。(自然脱出)
    • 骨盤内炎症性疾患(子宮、卵巣などの炎症)
    • 異所性妊娠(子宮外妊娠)
    • 卵巣嚢胞
    出産経験がある過多月経や月経困難症の患者様に是非検討してほしい治療法です。また最近は器具が細くなったので未経産婦の方も入れている方もいます(子宮口の拡張が必要な場合があります)。とても小さいもの(写真参照)ですので入れてしまえば違和感はありません。逆に自然に気付かないうちに抜ける場合(自然脱落)があるので定期検診は必ず受診してください。経腟超音波装置で位置や卵巣の腫大、その他の合併症の有無を確認します。5年以内に除去または交換することが重要です。定期検診があるので通院が困難な遠方の方のご来院はご遠慮お願いしています。
  • 黄体ホルモン製剤
    病巣に直接働き病巣を小さくします。また、子宮内膜の増殖を抑えることにより経血量を減少させ、月経量を緩和しますが、副作用では月経以外の出血が使い初めに見られます。
  • GnRHアナログ製剤
    女性ホルモンの分泌を抑え、月経と排卵を止め一時的に閉経状態を作ることで病巣を小さくします(偽閉経療法)。その結果、経血量が減少し、月経痛を緩和しますが、更年期障害(ほてり、発汗)と同じ症状がみられることがあります。通常6か月続けて使用します。(1か月に一回注射 × 6か月)

月経過多の診断、治療

月経が多い場合を過多月経と言いますが、はっきりした判断の基準がない病名です。
私って過多月経?
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昼でも夜用のナプキンを使う日が3日以上ある。
普通のナプキン1枚では、1時間もたない。
経血にレバー状のような大きなかたまりが混じっている。
以前より経血量が増え、日数も多くなった。
などは過多月経が疑われます。

学問的には「1周期の月経血が140ml以上」と定義されていますが現実的ではありません。客観的には貧血のあるなしで判断されます。他に内科的原因がない貧血は過多月経の可能性があります。
健診、ドックで貧血(ヘモグロビンや血色素の低下)が指摘されたら一度婦人科を受診してください。
原因
多岐にわたります。(年齢的背景で主な原因も異なります。)
若年者
(18歳まで)
ホルモンバランスの未熟による無排卵周期や血液凝固障害など
性成熟期
(19歳〜39歳)
子宮筋腫、子宮腺筋症、内膜ポリープ等の器質的異常や多嚢胞性卵巣症候群等の無排卵周期など
更年期移行期
(40歳〜閉経まで)
卵巣機能低下に伴う無排卵周期が多いですが子宮筋腫、子宮腺筋症等の器質的疾患も多い時期です。またこの時期になると 内膜増殖症や子宮内膜がん(体がん)の頻度も上昇するため注意が必要です。
検査
まず器質的疾患を除外するため、経腟超音波検査は必要です。若年者の性交経験がない方は経腹もしくは経直腸検査になります。貧血の程度を知る必要があるため血液検査も一緒に行います。最近検査した方は結果を持参してください。更年期移行期の場合、子宮体がんを除外するために内膜細胞診(体がん検査)を行う場合も多くなります。
治療
薬物療法
外科療法
  • 手術療法
    原因となっている病巣の切除や、場合によって子宮摘出を行います。
    開腹、腟式、腹腔鏡、子宮鏡などの手術方法がありますが、まずは種々の薬物療法をしてからの選択枝となります。
  • 子宮内膜アブレーション(MEA)
    子宮内膜を焼く装置を腟から子宮内に挿入し、内膜を焼くことで経血量を減少させる治療法です。2012年に保険収載された新しい術式です。
  • 子宮動脈塞栓術(UAE)
    足の付け根から動脈に細い管を通し、病巣に栄養を送る動脈を詰まらせて血液の流れを断つことにより病変を小さくする治療法です。合併症も多く適応症例の選択が必要です。
  • MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)
    MRの画像をみながら超音波エネルギーを一点に集束させて体外から子宮筋腫に照射し筋腫を凝固壊死させる治療法で、施設も国内ではまだ限られています。

月経前症候群(Premenstrual syndrome:PMS)
の診断、治療

月経前3〜10日前から始まる精神的・身体的症状で、月経開始とともに減弱、消失します。
私ってPMS?
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身体の症状
乳房の痛み おなかの張り・腰痛 頭痛 手足のむくみ 関節痛・筋肉痛 体重増加
精神的な症状
イライラ 怒りっぽくなる 抑うつ 不安 混乱 引きこもり
  1. 過去3回の連続した月経周期の月経前5日間に、上記の身体的・精神的症状が1つ以上ある。
  2. これらの症状は月経が始まって4日以内に症状が解消し、13日目まで再発しない。
PMSの原因は諸説ありますが、まだ解明されていません。通常のホルモン異常はなく、排卵を抑制すると発症しないことから黄体ホルモンが誘引であると言われています。PMSの重症型である、より精神症状が強い月経前不快気分障害(PMDD)は精神科や心療内科の先生にまずご相談すると良いでしょう。
治療
生活指導
症状日記をつけて疾患の理解と頻度、発症時期をご自分で認識する(認知療法)規則正しい生活、睡眠、適度な運動の励行、カルシウム・マグネシウム摂取の励行とアルコールやカフェインの制限指導など。
薬物療法
軽症の場合や
身体症状が主体
経口避妊薬(OC)や低用量エストロゲン・プロゲストン配合薬(LEP)
中等症以上抗うつ薬(SSRI)やドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠(ヤーズ配合錠)
その他精神安定剤、鎮痛剤、漢方薬等

診療時間

 
9:30〜12:30
15:00〜18:30
休診日 土曜午後・日曜・祝日・火曜(月1回)
火曜・木曜は不定期診療
土曜日は13:00まで
受付け終了時間は診察終了15分前まで(新患の方は30分前まで)にお願いします
【診療カレンダーの見方】
赤色は全日休診です。日にちの数字が青色で下線付きのところをクリックするとその日に何があるのかメッセージが表示されます。当日は数字が大きな太字で表示されています。
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